戦後日本人の寿命は延び、世界でも有数の長寿国となりました。しかし日本人の歯の寿命は「人生50年」といわれたころからあまり変わらず、80歳で6本の歯が残るのみです。物が豊かになり、食生活が豊かになり、その豊かさを享受しようとしたとき、かむための歯が失われているのが現状です。私たち日本歯科医師会会員は「8020運動」を展開中です。80歳になったときに、ご自身の歯が20本あれば大概の物を食べることができます。高齢者の自立を支援し、生きる喜び、QOL(生活の質)を高めるために大変重要なことだろうと思います。しかし、80歳になってからご自身の歯を大切にしようと考えてもそれでは遅すぎます。その結果が現状の8006(80歳で6本)に現れていると思います。
子供のときから虫歯を予防すること、働き盛りのときから歯周病(歯槽膿漏症)を予防すること。この二つを行うことではじめて豊かな食生活を楽しむことができる何でも食べられる健康な体ができるのではないでしょうか。歯、口は身体の入り口健康づくりの第一歩です。虫歯の治療、歯周病の治療にとどまらず、その予防を目指すことが大変大切だと思います。
私たちしのざき歯科医院のスタッフは歯、口の健康づくりを通して、皆様の健康づくり、幸せ作りを応援したいと思います。「何でもかめる、豊かな老後」目指してがんばって生きましょう。
40歳以降で歯を失う原因のトップである「歯周病」という疾患は、厚生労働省が指定する「生活習慣病」です。生活習慣上の問題点を洗い出し、それを変革していくことが治療の最重点課題なはずなのに、「歯科医師」が「治す病気」だと考えていらっしゃる患者さんがたくさんいらっしゃいます。「病気を治す」、から「病気にかかる環境をコントロールする」、そのために医療機関、専門家を利用し「健康な状態を維持・管理する」ことが求められていると思います。
歯周病は正しい食習慣と正しいお手入れ方法(ブラッシング)で進行を抑制することが出来ます。まずはよくかむことです。1口30回が目標です。次にかみ応えのある食品を選びましょう。日本に古来からある食品は、優れたものが多いです。かむことにはたくさんの効用があります。特に有用なのは脳血流量の増加により脳細胞の活性化が図られることです。これによりボケ防止、または回復の効果が指摘されています。歯周の正しいお手入れ方法を身につけていただくことも重要です。「たかが歯磨き」と思われがちですが、意外と皆さんきちんと磨けていません。「磨いている」けど「磨けていない」方がほとんどです。
専門家によるチェック、指導を受けられることをお勧めします。歯周病を管理する、お口の健康を管理することが、健康な生活、幸せな生活とは何かを考えるきっかけとなり、それを家族、隣人、地域社会へと広げていくことにつながれば、と願っています。
しのざき歯科医院院長
篠崎広治
スタッフ一同
篠崎広治
1958年 東京都江東区生まれ
1977年 埼玉県立熊谷高校卒業
1984年 北海道医療大学歯学部卒業
1984年 群馬大学医学部口腔外科学教室入局
1985年 館林厚生病院口腔外科入局
1987年 しのざき歯科医院開院
2009年 歯学博士号取得
2011年 介護支援専門員
所属学会等
群馬大学医学部口腔外科同門会会員
群馬県歯科医学会会員
日本歯科放射線学会会員
東日本歯科医学会会員
日本糖尿病協会歯科医師(第225号)
地域医療
太田新田歯科医師会専務理事
群馬県歯科医師会予算決算委員会委員長
太田市介護認定審査委員
太田市立南小学校校医
太田記念病院地域医療推進運営委員会委員
学校講師
中央医療歯科専門学校講師