歯の健康を守るために、まずは歯の構造を見てみましょう。
歯は「エナメル質」という人体の中で最も硬い組織でおおわれています。
その下に「ぞうげ質」があり、さらにその下に神経と呼ばれる部分である「歯髄(しずい)」があります。
土台の部分はあごの骨がのびたもので「歯槽骨(しそうこつ)」といいます。
根の部分と歯槽骨とは、噛んだときに感覚したり、噛む力を調整したりする機能をもつ「歯根膜(しこんまく)」でつながっています。
虫歯は気がつかない内に進行しています。
虫歯になっていても、最初のうちは痛くないからそのうち治そうと思って放置している方は案外多いものです。
虫歯は自然治癒はしません。気がついたら口中がひどい虫歯でボロボロになってしまっている方もいます。そうなってしまう前に早く歯科医院に行きましょう。
C0 表面のわずかな虫歯で、まだ歯に穴が開いていない状態
毎日正しい歯磨きを続けることで自然に治ります。
フッ素の塗布なども効果的です。
C1 エナメル質が溶け、まっ白や茶褐色に変色した状態
痛みを感じないため気づきにくいですが、虫歯の初期段階で治療が必要となります。虫歯部分を削り取って、歯と同じ色の樹脂(レジン)で覆います。
表面を削るだけなのでち治療中の痛みはありません。
C2 虫歯がぞうげ質まで達してしまっている状態
冷たいものを飲んでしみたり違和感を覚えはじめます。
虫歯をすべて取り除き、詰め物をします。詰め物はその場で詰める方法と、型を取って作った詰め物を後日入れる方法 の2つの方法があります。進行が速いので早急な治療が必要になります。
C3 虫歯が歯髄に達し、細菌が入り込んでしまっている状態
C2よりも激しい痛みがあります。
抗菌剤で虫歯と歯髄の殺菌し、薬剤ごと密閉します。歯髄が保存できない時は、歯髄を取り除いて管を殺菌し、細菌が入らないよう詰め物をします。
C4 歯の根しか残らない末期の状態
歯冠部が溶けて歯根のみが残った状態です。歯の神経(歯髄)は死んでしまい痛みはありません。
歯根先端部に膿が溜るなど、場合によっては歯を残すことが困難で抜歯することもあります。
歯周病とは、プラーク(歯垢)に含まれる「歯周病菌」が、歯周組織(歯肉・歯根膜・歯槽骨)に入りこんで起こる病気で、日本では成人の約80%が歯周病だといわれています。
初期の段階では歯肉が赤く腫れ、歯と歯茎の間の歯周ポケットが深くなり、歯磨きなどで出血しやすくなります。
この状態を放置すると、歯周病菌が徐々に歯周組織を壊し歯がぐらぐらしたり、歯の根元が露出して最終的には歯が抜けてしまいます。また歯周病は口臭の原因にもなります。
歯肉の出血や腫れなど、少しでもお口の中に異常があったときは、ぜひ早めに相談にいらしてください。
歯周病の予防・治療ともに、一番大切なのは「プラークコントロール」です。
正しい歯磨きはもちろん、歯間ブラシやデンタルフロスを上手に使ってプラークを掃除し、歯周病菌の増殖を抑えましょう。
また、歯磨きでは取りきれないプラークや歯に付着した歯石は、スケーラーという器具を使って除去することができます(スケーリング)。
①プラークコントロール | プラークコントロールとは歯周病の原因である歯垢(プラーク)の増殖を抑えることに重点を置いた予防、治療法です。 正しい歯磨きの仕方や歯間ブラシ、デンタルフロスなどを使用してプラークコントロールをする事が重要です。 |
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②スケーリング | 歯垢(プラーク)は放っておくと歯磨きでは取り除くことができない歯石になってしまいます。歯石は歯周病菌の格好の棲家となるため、早めに取り除くことが大切です。 スケーリングで歯石や歯垢を除去することによって炎症が収まり、歯周ポケットの深さも浅くなりますので、歯周病の進行を抑え、症状の改善が期待できます。 |
③詰め物や被せ物の修正 | 詰め物や被せ物は時間が経つと劣化する場合があります。 そうすると歯垢(プラーク)が付着しやすくなるため、詰め物や被せ物が合っているかを確認し、合っていなければ修正する治療が行われます。 |
④生活習慣の改善 | 正しい歯磨きや、よく噛んで食べるなど日々の食生活を見直す事も必要です。 また抵抗力が落ちているときは歯周病菌に感染しやすくなるので、規則正しい睡眠やストレス改善なども必要になってきます。 |
歯周病の症状が重くなるにつれ、治療の際痛みや出血を伴ったり、重症だと切開手術が必要になったりする場合も出てきます。
治療後の回復にも時間がかかり、辛い期間が長引きます。
レーザー治療は痛みが非常に少なく治療と同時に患部への殺菌・消毒・消炎もされるので、治療後の回復も早く済みます。
当院では2種類のレーザー装置を症例によって使い分け、小さな虫歯の治療も可能です。
レーザー治療とは、近赤外線の熱エネルギーを使って感染している部位を蒸散させ、除去する治療法です。またレーザーには鎮痛、治癒促進効果もあります。
下記に4つの大きな効果を示します。
①痛みがほとんどなく、麻酔の必要性が少ない。
②歯周病菌などに殺菌効果があり、治癒が早い。予防の効果もある。
③不快な「キーン」という音や、「ガリガリ」といった振動がありません。
④安全性が高い。
「痛い」というのは、患者さんにとっても歯科医にとっても嫌なことです。
高橋歯科医院では、歯科治療における最新の先端技術であるレーザー治療器を導入し、疾患部及び周囲の痛みをやわらげながら、安全かつ早期の治療に努めています。
電動注射器(下図左下)は麻酔液の注入スピードを人に合わせて自動的に調整し、痛みの原因となる余計な圧力を緩和します。注射器は人肌に温め、注射液と人体との温度差による痛みを軽減します。
笑気麻酔(下図右下)は治療のための麻酔ではなく、治療への不安を取り除き、心を落ち着かせるための麻酔です。副作用の心配もなく、治療への恐怖がある方はもちろん、高血圧の方や、嘔吐反射のある方にも効果的です。
治療に関するご不安やご要望など、何でもお気軽にご相談ください。
電動注射器
笑気麻酔