メインテナンスはお口の健康の維持にとても重要です。 いまでも多くの方が、痛くなってから来院されるケースが多いです。 痛くなったり、穴が開いたり、歯がぐらぐらしたり、物が詰まったりというような理由で初めて来院しようと思う方がいまだ多いです。
今までの歯科診療に対するイメージから、「なんとなく痛くなってからいくところ」という行動様式になっていませんでしょうか?
しかしよく考えて見てください。 ご自分で把握できるのは、比較的前の歯のしかも鏡で見える範囲の歯の表側のみの変色や大きくなりすぎて、痛みがでた虫歯や、物が詰まってしまうようになった虫歯など、ごく一部に限られています。実はこのような自覚症状が出てから来院されては遅すぎるのです。上記のどの症状も末期を示しています。
しみる程度なら間に合う場合もありますが、 多くの場合は歯の神経を取る治療や、歯そのものを抜くより踏み込んだ治療になることが多いです。たいていは痛みを伴うので麻酔をしなければなりません。つまり、自然に歯の痛みもあるが、処置も痛みを伴う率が高まることになります。 極力痛くない麻酔をすることは言うまでも有りませんが、炎症がピークだと、麻酔も効きにくくなることがあります。
はっきり言いますと、ご自分で御自覚できるようなったら、相当病状は進んでいるということです。それくらいご自身の感覚だけに頼ると発見が遅れます。そのような患者さんは、これからは、痛みが出てから受診するという行動様式を改めてみてください。まだ症状が出ないうちに治療すれば軽症ですみます。 軽症なものを早期に発見し処置することが、歯の健康の維持にとっても重要なのです。
また、同様に、今は痛くないからまだ直したくないという患者さんもいらっしゃいますが、痛くなってからでは、歯の寿命が大幅に短くなります。このことを理解されてない患者さんも、まだ多いのが現状であります。定期健診、すなわちメインテナンスは、このように、どうしてもご自身だけでは発見が遅れがちになってしまう歯科の病気に対して、それを補うものです。患者さんが気づいていなくても、異常を早期に発見して、大きくならないうちに対処するための、現在唯一の方法であります。
これからは痛みが出てからでは遅いので、「特に自覚症状がなくても定期的にチェックを受ける」という行動様式を身につけてみてはいかがでしょうか?そして早期に発見できれば、早期なので痛みをほとんど伴わない治療をうけられることが、患者さんにとってよいことなのではないでしょうか?
人生はよく長いレースにたとえられますが、当院ではお口の健康も人生のレースには非常に重要な要素と考えます。 車のレースに例えて言えば、「応急修理を重ね、頻繁に部品を交換するために止まらなければならないレースカー」よりも、根本的な修理に時間はかかっても、しばらく安心して走れるレースカー」がいいのではないでしょうか? 長く走れるためには、定期的に車検を受け、問題が生じていないかのチェックが必要ですが、人生では歯科医院での定期的なメインテナンスがこれにあたります。 治療同様に定期的なメインテナンスは非常に重要ですので、ぜひ定期的なメインテナンスにいらっしゃっていただき、問題の早期発見の早期解決を心がけていただきたいものです。