かみ合わせとは、上アゴと下アゴを閉じたときの歯の接触状態をさし、
これがかむ筋肉に負担をかけない正しい位置にある必要があります。
しかし、かみ合わせは、抜歯やむし歯などちょっとしたことでズレてしまい、
体にさまざまな悪影響を与えます。この崩れたかみ合わせを正しい位置に
戻すのが、かみ合わせ治療です。
①頭痛・肩こり・腰痛
かみ合わせが悪いと、こめかみや首から肩にかけての筋肉が緊張して、
頭痛や肩こりを引き起こします。
②顔面の歪み・皮膚のシワ
かみ合わせの悪さは、顔の筋肉や骨にも悪影響を与え、顔のゆがみを起こします。
また、かみ合わせの悪さからよくかめなくなることで、かむ筋肉のハリがなくなり、
結果シワの原因にもなります。
③脳梗塞・高血圧
かみ合わせが悪いと、首の骨がゆがむため、頚椎を通る血管が圧迫されて
脳への血液が減り、脳梗塞の要因になります。また、血流が阻害されている分を
補おうとして、血圧が高くなります。
④顎関節症(アゴの関節症)
アゴの関節やかむ筋肉に無理な力がかかると、あごの関節周辺の痛みや、
口があけにくいなどの違和感が生じます。
⑤いびき・睡眠時無呼吸症候群・不眠症
かみ合わせが悪いと、寝ている間に下アゴが後退して、舌が気道をふさぐ場合があり
ます。これにより、いびきを起こしたり、脳の酸素不足で不眠症になることもあります。
また、ひどい場合は、1日30回以上の呼吸停止状態になり、生命にもかかわる
睡眠時無呼吸症候群になることもあります。
⑥歯周病・知覚過敏・虫歯
夜間の歯ぎしりなどで、歯のエナメル質にヒビが入り、知覚過敏や虫歯になりやすく
なります。また、歯を支えているの骨にも無理な力がかかり、歯周病も悪化しやすくなり
ます。
以上のように、かみ合わせが悪いと、全身にさまざまな悪影響を及ぼしかねません。
放っておくと生命にかかわる病気の要因にもなりますので、きちんとした
かみ合わせ治療をおすすめします。
現在、当院が採用している方法は、正しい神経筋反射(筋肉位)にかみ合わせを
合わせる方法です。もっと簡単にご説明すると、筋肉が一番楽な位置に、
かみ合わせを合わせてあげる方法です。
わたしたちが、食物をかんで飲み込むといった運動(ソシャクえん下運動)は、
脳と筋肉、そして歯との連動で行われています。
しかし、困ったことに脳は、筋肉が楽にかみたい位置と、歯が合わさる位置(かみ合わせ)
がズレていたとしても、そのズレた位置を覚えてしまいます。
そのようなズレたかみ合わせが習慣になっていたり、いつもかんでいる位置が、
筋肉が楽にかめる正しいかみ合わせ(位置)とズレていると、夜間のくいしばりや
歯ぎしりがひどくなり、歯周病・顎関節症・歯のすり減りや破折・肩こりなど
様々な症状を引き起こす可能性があります。
当院では、そのような問題のあるかみ合せを、低周波器(マイオモニター)や
リラックスしたときのアゴの開閉口路などを参考に、ズレたかみ合わせを
正しいかみ合わせ(筋肉位)に修正し、症状の改善をはかります。
かみ合わせ 理想的かみ合わせ3条件
1.習慣性のかみ合わせが筋肉位(筋肉が楽にかめる位置)と一致している
2.歯が最大面積で均等に、多面であたっている
3.アゴを横にずらして歯ぎしりしたとき、奥歯がひっかからない
(前歯がガイドしている)
実は、夜間の食いしばりや歯ぎしりは、音がするかどうかを別にすれば、
全ての人が行っているのですが、不正なかみ合わせによる筋肉の緊張・食いしばる癖
精神的ストレスなどによる、ひどい歯ぎしりは改善する必要があります。
その理由は、歯ぎしりをそのままにしておくと、顎関節症、歯周病、かみ合わせ病、
むし歯、知覚過敏など、人体へ様々な悪影響を与えるからです。
【自分でできること】
☆ 日中、かみしめていることに気がついたら、歯を離してください。
☆ 夜寝る前には、睡眠中に歯を接触させないよう、意識して筋肉を
リラックスさせる自己暗示を行ってさい。
☆ かむ筋肉(咬筋・側頭筋)を睡眠前に、20~30回手のひらを使って
軽くマッサージしてください(強いマッサージは逆効果になるので注意)。
☆ なるべく深い眠りができるように心がけてください。
眠りが浅いとかみしめを起こしやすくなります。
【歯科医院でしかできないこと】
☆ かみ合わせを調整し、かむ筋肉の緊張をとる。
☆ マウスピースを作ることで、歯ぎしりの力を少なくする。
Q.頭痛はかみ合わせをよくすれば治るのですか?
A.頭痛は、筋肉の緊張、血管の運動障害、全身疾患など、さまざまな原因に
よって引き起こされます。このうち、筋緊張型の頭痛が最も多く、全体の70%を占めると言われています。
かみ合わせが悪いと、こめかみや首から肩にかけての筋肉が緊張し、この筋緊張型頭痛の大きな原因となります。その他にも、かみ合わせの悪さから頚椎のズレが生じ、血流の阻害や自律神経が圧迫されて、偏頭痛や血管運動障害頭痛の要因になることもあります。
結論として、原因がはっきりしない慢性頭痛の多くは、かみ合わせを改善する
ことで、症状の改善が見込めます。
Q.かみ合わせが悪いとシワが増えるって本当ですか?
A.かみ合わせが悪いと、かむ筋肉郡が弱くなり、ハリがなくなるため結果シワ
の原因となります。