オゾニトロンによって得られる効果は、病気の部分に酸素(栄養分)を多く送ることにより、組織を早く回復させる物質を作り出すことができることです。これは、『ヒールオゾン』にはない、『オゾニトロン』のみの特徴です。
当院では、『オゾニトロン』のオゾン治療を行っており、具体的には、下記のような目的で使用しています。
口内炎・ヘルペスの治療
オゾンの殺菌効果による虫歯再発の予防
歯周病や歯髄炎の予防
額関節症による開口障害の緩和
手術後・抜歯後の治癒
初期の虫歯治療では、虫歯を削ることなく治療
健全な歯の予防処置
歯槽膿漏、歯根膿胞の治療
入れ歯による潰瘍の治療
インプラント植立部位の術前、術後の殺菌と治癒促進
オゾンは人間が利用し得る最も強力な酸化剤の一つです。
オゾンは効果的な漂白剤であると同時に強力な殺菌、消毒効果があり、バクテリアやカビを塩素よりも素早く殺します。水の浄化に通例使用される化学物質によっては、ほとんど攻撃されないウィルスやその他の物質もオゾンによって酸化されます。
そのため今日では、オゾンは塩素に代わってプールや飲料水供給に際する水の消毒に使用されています。
実はこのようなオゾンの好適な特性は、技術がそれを利用し得るようになるずっと以前に医学にとっては知られていました。
オゾンは過度に高い濃度で吸入すると有害なこともある、非常に刺激性の強い気体です。肺はオゾン吸入のより刺激され、眼や粘膜はオゾンにさらさられることで刺激を受けます。しかし、少量のオゾンは血流を促進すると共に、活性作用をもたらし、多量のオゾンは止血作用、殺菌・消毒作用および阻止的作用をもたらすということです。
こうした治療を目的としたオゾン量は、害をもたらさないと数多くの実験によって確かめられています。
例えるなら、肉を取らないとたんぱく質が不足します。しかし不足するからと行って、いくらでも食べても良いというものでなく、取り過ぎるとコレステロール値が高まってしまうように、オゾン治療も適度な量を使用することが大切です。
すでに1916年には、負傷した兵士の創傷、蜂巣症にオゾンガス滅菌を施した際の驚異的な成果が報告されました。同様の成果は、化膿し細菌感染を生じた創傷にガス滅菌を行った際にも成果が確認されました。チューリッヒの歯科医フィッシュ先生が歯科治療にオゾンを利用して細菌感染を生じた創腔、歯周病およびその他の細菌性炎症の治療にすぐれた成果が得られたことを紹介しました。
同じく1933年にライプチッヒの外科医ペール教授は大規模な研究を通じて大学医学におけるオゾン利用の臨床的基礎を築きました。第一次大戦中とその後の時期における卓越した成果にもかかわらず、オゾン療法は忘れ去られてしまいました。初期のオゾン発生装置は非常に大型で、しかもオゾンそれ自体に短時間しか耐えることができませんでした。
オゾン療法医学協会によれば、オゾンは医学療法分野で以下の効果を発揮すると書かれています。
殺菌作用(バクテリアを殺します)
殺ウィルス作用(ウイルスを殺します)
止血作用・特に溢出出血の場合の止血作用
創傷治癒促進作用(創部酸素供給を改善し、代謝を強化します)
殺カビ作用(胞子を殺します)
血流促進作用
創傷浄化作用(軟部創傷および骨創傷の場合に特に好適です)
歯科学分野ではオゾンは、まず、ジェットもしくはスプレーとして消毒や局所血流促進に利用されるオゾン水の形で知られています。ただし、オゾン飽和度が低く、分解が急速であることから、濃縮水の作用は必ずしも常に納得し得るものではありませんでした。また、水やスプレーの拡散が不可避であるために、咽頭腔や鼻腔の粘膜が激しい刺激を被る危険があることももう一つの短所です。
オゾンはもっぱら局所的な治療箇所で、しかも非治療箇所と接触する瞬間にだけオゾンを発生することによって、前述した短所を回避すると同時に高いオゾン濃度を実現します。オゾンの療法効果は高度な消毒・殺菌力であると同時に溢出出血に際して止血作用を果たし、浄化・清浄効果をもたらし、創部の酸素供給を局所的に改善し、創傷治癒を促進し、局所的な代謝プロセスを刺激することによって局所的に組織温度を高めます。
微生物が十分な量のオゾンと直接接触すると病原体(バクテリアやウイルスなど)の死滅がカプシドの酸化分解を経て進行し、これにより、DNAまたはRNAが消滅させられることになります。これらはいずれも様々な論者によって証明されました。この方法を医学に転用すれば、局所的なガス滅菌がアプリケーションとして適切であると考えられます。オゾンの消毒、滅菌ないし殺菌効果をできるだけ短い所要時間で最適利用するには高い局所濃度にみが問題となります。
工業的には排水浄化、療法分野では創傷浄化のいずれの場合にあってもウィルスまたはバクテリアの死滅の原因はオゾンの酸化電位に帰着され、これはまた直接オゾン分子の構造に帰着されます。高い電子密度によってオゾンは気体状態で分解して大気中酸素となりますが、その際O原子の中間段階を通過し、顕著な酸化特性を発揮します。創傷治癒のメカニズムに関するかぎりは以上の通りです。酸化は、細胞治癒において、ウイルススパイクで証明されているように、それらの不活性化を通じて進行します。取り込まれた過酸化物は細胞内に形成されたそれと相乗作用を果たし、細胞内に進入した微生物を破壊します。