歯周病とは、歯を支えている歯肉(歯茎)や歯槽骨に起きる病変で、以前は、「歯槽膿漏(しそうのうろう)」と呼ばれていました。虫歯と違って痛みはありませんが、進行すると歯茎が腫れる、口臭がひどくなる、歯がぐらつく、などの症状が現われ、やがて歯が抜け落ちてしまいます。
歯周病が進行すると歯茎の腫れがひどくなり、歯と歯茎の間に歯周ポケットと呼ばれる隙間ができます。また、炎症が歯槽骨や歯根膜まで及び、歯茎から膿が出たり、歯茎がやせて下がってきたり、歯がぐらついてきたりします。
歯周病がさらに悪化すると、歯槽骨が溶けて歯のぐらつきがひどくなり、食べ物が噛むことができなくなって、最後には歯が抜け落ちてしまいます。
最近になり歯と全身の関連が研究により明らかになってきています特に歯周病に深刻な健康
障害が報告されています。口の中の細菌が血管内に入り込み全身をめぐってしまいます。
歯周病が全身へ及ぼしうる影響として
1.脳卒中が2倍に
2.慢性呼吸器疾患が2~5倍に
3.冠動脈疾患が2倍に
4.低体重児出産が4~7倍に
5.糖尿病が2~4倍に
歯周病治療の流れとお口のケアお役立ち情報を下段に追加いたしました。
こんな方は要注意!!
●朝、口の中が臭いと思う
●偏食をよくしている
●歯ブラシを使うと歯ぐきから血がでる
●歯ぐきの先端が赤くはれている
●冷たいもの、熱い物が歯にしみる
●歯がグラグラしている
歯周病は、自然に治るものではありません。
そのまま放っておくと、だんだん悪くなります。
少しでも早く受診されるとそれだけ予後が良くなります。
お口のケアお役立ち情報
SUNSTAR(サンスター) LION(ライオン)GC社歯磨き講座(GC社)
歯肉にのみ炎症が生じたもので、歯根膜や骨(歯槽骨)までは破壊されていないもの
プラークや歯石が原因で歯肉に炎症を起こします。歯茎は暗赤色で丸みを帯びて腫れ、歯磨きの時や硬い物を食べた時に出血しやすくなります。正しいブラッシングと歯石除去で良くなります。
歯(歯槽骨)が歯根の長さの1/3まで消失したもの
歯茎の炎症が進行すると歯と歯茎の間の付着期間が溶け、歯周ポケットが出来ます。また、歯を支えている骨(歯槽骨)が溶け始めます。
歯(歯槽骨)が歯根の長さの1/3~1/2程度まで消失したもの
炎症がさらに悪化すると歯槽骨が溶け、歯根部分が露出し、冷たい物や熱い物がしみたりすることもあります。歯肉が腫れ、膿がでてきます。口臭も徐々にひどくなり、歯を支えている骨(歯槽骨)の吸収により歯がグラグラ動きます。
歯(歯槽骨)が歯根の長さの1/2以上消失したもの
歯槽骨がほとんど無くなり歯根が露出し、最後には抜けてしまいます。
レントゲンにて歯周病による骨破壊の状態を調べます。
歯周ポケットの深さを測定します。
炎症の程度を調べます。
歯磨きで効率よく歯の汚れが落ちているか検査をします。
歯石を除去します。
歯石の付着度合によりますが1~6回に分けて行います。
歯肉の下、奥深い所に付着した歯石を取ります。ルートプレーニングを必要とする歯は強い毒素を持つバイオフィルムが形成されています、一本一本の歯肉の下を手探りで行うため、特に沢山歯石が付いている場合は治療回数がかなりかかる時もあります。
必要に応じてFOPなど各種歯周外科手術で改善をはかる場合もあります。FOP(フラップ手術)は局所麻酔後、歯ぐきを切開し深い部分に隠れているプラークや歯石を取り除き、歯周病の進行を止める手術です。
健康な歯周組織を維持できるようブラッシング指導等を受けて頂きます。
また通常のブラッシング後コンクールF(ウエルテック社)を用いての再ブラッシングか
マウスウオッシュをお勧めしています。
歯周病を予防し再発を防ぐためにも、症状に応じて長くても3ヵ月に一度のメンテナンス
のためのPMTC(歯科医師、衛生士による機械的歯面清掃)及び定期歯科検診をお勧め
します。