歯が抜けた箇所をそのままにしておくと、次第に抜けた箇所の顎の骨が吸収されていき、骨が無くなってしまいます。
インプラント治療は顎の骨に人工歯根を埋入する治療法のため、顎の骨が無い方にはインプラントを埋入することができませんでした。
近年では、骨の無い方に対しても人工的に骨を追加することで、インプラント治療を行えることができるようになりました。当院では、ソケットリフトという手法を用いて、骨の無い方にもインプラント治療を行っています。
・ソケットリフトとは?
上顎の奥の骨が薄い時に、鼻の空洞の中を持ち上げ、そこに骨を追加してインプラントを同時に埋め込む方法です。
上顎の上部には、上顎洞という大きな穴があります。そのため、骨があまり無い場合、上顎洞に骨を作る材料を置き、骨が作られるのを待ちます。そして、骨ができあがった所でインプラントを埋入します。
通常、インプラントの埋入手術後、インプラントが固定し治癒するまで、上顎で約6ヶ月、下顎で約3ヶ月の治癒期間を必要とします。
この治癒期間を短縮し、より早く治療を終わらせるために、当院では超音波治療器を用いた治療を行っています。
超音波治療器を使うことで、インプラント治療後の骨組織の新陳代謝を高め、再生・治癒を促進させることが可能です。
・超音波治療器の使い方
超音波治療器は、ご家庭でご使用頂きます。
専用のマウストレー(BRサポート)を作成した後、使用方法の説明をします。
1日15分、超音波照射を治療箇所に行って下さい。これを1週間続けて頂ければ終了です。
・治療期間の比較
上顎 | 通常の治療 6ヶ月 超音波治療 3ヶ月 |
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下顎 | 通常の治療 3ヶ月 超音波治療 1ヶ月 |
インプラントの埋入手術後、インプラントが顎の骨に固定するまで経過を観察する必要があります。
そして、結合が確認できた後、人工の歯をかぶせます。
当院では「オステルISQ」という分析機器を使用しています。オステルISQは、インプラントの安定度をISQ値という指数で表示し、骨との結合の正確な判断ができます。
オステルISQを使うことで、インプラントの固定を確実に確認し、早期に治療を進めることが可能になります。
・オステルISQの使い方
インプラントにスマートペグと言う部品を取り付けます。そして、オステルISQの先端から音叉のような音を出し、その振動によってインプラントの安定度(ISQ値)を測定します。
ISQ値は最高値と最低値が同時に表示され、この表示を確認し、インプラントの結合度を判断します。