1945年に、公立大学法人九州歯科大学を卒業した豊嶋武夫が香川県三豊市に歯科医院を開設しました。その後、三豊市歯科医師会会長などを務める傍ら、2006年まで地域歯科医療に従事しました。
1978年には、公立大学法人九州歯科大学第一口腔外科で歯学博士を取得した豊嶋健治が、香川県高松市錦町に妻の英子と共に歯科医院を開設、1981年に古新町に移転し現在に至っています。2009年から香川県歯科医師会会長を務めています。
2005年に、国立大学法人九州大学第二口腔外科で歯学博士を取得した豊嶋健史は、ドイツのエアランゲン=ニュルンベルク大学口腔外科に留学しました。大学、シーメンスメディカル、アディダスの関係者が多く住む恵まれた環境で、患者さんの治療と臨床研究に従事しました。そして、非常に系統立てられたインプラント治療が行われているのを目の当たりにしました。
2007年に、インプラントの国際的非営利学術組織International Team for Implantology (ITI)のスカラーシップを獲得し、ドイツのヨハネス=グーテンベルグ大学マインツ口腔外科に異動しました。フランクフルトに近く、よりモダンな同僚と患者さんに囲まれて、インプラントに関連する研究と治療に従事しました。
2009年にドイツから帰国し、九州大学病院顎顔面口腔外科に所属しました。インプラント治療と顎変形症治療を主体として多岐にわたる仕事をさせて頂いていましたが、大学を辞してインプラント治療を中心とした歯科医療に専念することを決意しました。公益社団法人日本口腔外科学会専門医、公益社団法人日本口腔インプラント学会専門医取得後、2015年より当院で地域歯科医療に従事しています。
大学での研鑽を通じて重要と実感したのは、基礎と臨床の融合です。歯科医療は科学です、第一に、理論に基づいた医療であるべきです。その一方で、理論だけでは説明できない症例があるのも事実です。そのような症例に臨機応変に対処できるかは、それまでの経験に拠り所を求めるしかありません。常に知識を吸収する姿勢を持ち、その知識を基盤として歯科医療を提供する、そして、その歯科医療がEBM(evidence-based medicine)に適合しているかを確認する、その上で、経験値を持って口腔内の変化に対応していくことが、基礎と臨床の融合と考えます。
ヨーロッパを中心に世界を体験してわかったことは、条件さえ整えば世界のどこでも同じ質の歯科医療を提供できる、ということです。地域で歯科医療を提供するということは、その地域で完結できる体制、人材、器具などに裏打ちされるべきです。それらを基盤として、標準に近い歯科医療を提供することが理想です。標準に近いことを確認するためには、客観的である必要があります。客観的視点を持つためには、世界のいろいろな場所で進歩が起こっている歯科医療のその場に立ち会うことがベストと考えます。
いま、歯科医師として、香川、四国、日本、アジア、そして世界へと、視野を拡大してアンテナを張る必要性を痛切に感じています。世界的視野を持った上で地域を見つめることが、バランスのとれた標準により近い歯科医療を、患者さんに提供できる術だと考えます。患者さんの日常生活の中で、当院の扉を開けて受診していただければ、常に世界的視野に基づいた標準治療を受けていただけるように、努力を続けています。そして、最終的に、社会に対して生産的な情報を発信することができれば本望です。