ホワイトニングは生活習慣、遺伝、加齢などが原因で黄ばんだ歯を、薬剤の力で白く漂白する方法です。
歯の表面はエナメル質という半透明色の硬い組織で覆われ、エナメル質の内側には黄褐色の象牙質という組織があります、さらにその中には歯髄があります。
歯の色は、エナメル質と象牙質の2層の色で決定します。
歯の色も髪の毛や瞳の色のように遺伝によるものもあります。
また、年齢とともにエナメル質がどんどんすり減り、黄褐色の象牙質の厚み(色が近づき)が増しても歯は黄ばんで見えます。
いくら歯の表面の汚れを落としても自分の歯が黄色いと感じる方は、遺伝か年齢による黄ばみも考えられます。
歯科医院では、ホワイトニング前の診査として口の中がホワイトニングに適しているか検査を行います。
この検査は虫歯、歯周病、歯ぎしり、エナメル質形成不全・象牙質形成不全、歯石の付着がないかを目で見て診断します。
また、妊娠しているかも問診いたします。
上記にあてはまる人は、当日すぐにはホワイトニングを受けられない場合があります。
この検査はホワイトニングの費用に含まれる歯科医院がほとんどですが、この検査によりさらに詳しい診断を必要とした場合は患者様の同意を得た上で、治療やレントゲンを撮ることになります。
そのときはホワイトニング費用の他に、初診料及び諸費用が加算されますので念のため保険証を持参することをお勧めします。
ホワイトニングには、歯科医院で行う【オフィスホワイトニング】、家庭で行う【ホームホワイトニング】の2種類があります。
オフィスホワイトニングは、高濃度の薬剤を使用し、歯科医院で歯科医師か歯科衛生士が行うホワイトニング方法です。
歯科医院により様々な方法がありますが、歯の表面に過酸化水素を主成分とした薬剤を塗って漂白する方法や、個人の歯に合わせて作られたトレー(マウスピース)の内側にジェル状の漂白剤を注入して歯に装着する方法によって歯自体を白くすることができます。
ホームホワイトニングは、低濃度の薬剤を使用して自宅で各自行うホワイトニングです。
また、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを併用していく方法もあります。
健康であり、歯科医院でカウンセリングを受けホワイトニングに適正すればホワイトニングをすることが可能です。
ホワイトニングできる歯の範囲は、基本的に前歯の表面のみです。歯の裏側のホワイトニングはできません。
歯科医院で行うオフィスホワイトニングでは、照射できる範囲が限られています。
濃度の高い薬剤を使用するため、奥歯を除いて前歯6本~8本、上下合わせて12本~16本程度の歯をホワイトニングしていきます。
一度ホワイトニングすれば永久に白さが持続するということはなく、色の後戻りがあり除々に色調が元の色に戻ってきます。
この後戻りの程度は個人差によるものが大きく生活習慣、食生活などによって違ってきます。
中でも多量の紫外線や、コーヒー、紅茶、赤ワイン、喫煙などが歯の着色に影響します。
ホワイトニングの効果を少しでも長く維持させるためには、日々丁寧に歯磨きを行い、ホワイトニングの効果のある歯磨き粉を使用するなどの工夫も必要です。
またオフィスホワイトニングの効果は、個人差はありますが1回のホワイトニングで、歯の色見本(シェードガイド)を基準として3~4段階明るくなる人もいます。
ホームホワイトニングでは、毎日ホワイトニングすることによって通常約1~2週間くらいから効果が表れます。
ホワイトニングの注意点として、ホワイトニング後48時間は、歯の表面、(エナメル質)の性状がまだ安定していなく歯の表面が再着色しやすい状態なっています、再着色の原因となるタバコ、コーヒー、ウーロン茶、紅茶、緑茶、ワイン、チョコレート、カレー、ケチャップ料理、イカスミ料理など、色の濃い飲食物は控えることです。
オフィスホワイトニングは薬剤の濃度が高いため、歯の表面に点状に白い部分が現れる場合があります。
これは歯に元々あるものが、ホワイトニングにより強調されたものです。数週聞から数ヶ月経つと周りになじみ、目立たなくなってきますが、気になる場合は、歯を削って白いつめものをするなどの処置が必要となります。
そして、歯の黄ばみの原因は、着色だけでなく加齢により色調が濃くなることや遺伝的な事も原因しているので、ホームホワイトニングより後戻りが早くなるオフィスホワイトニングは半年に1度程度の割合で後戻り防止のための定期的なホワイトニングを行うことをお勧めします。