マイクロサージェリー（以下、精密治療）とは、治療をする際に肉眼で見るのではなく、拡大して見ながら治療する特殊な技術です。もともとは外科医が、心臓や脳の手術に使っていたのですが、最近アメリカでは、歯科医も導入して成果をあげています。
そもそも外科医や歯科医のあいだでは、治療の際に「見えた患部だけが治すことができる」と言われています。見えないくらい細かい「患部」は存在していないのと同じで、治すことは出来ないのです。治療の精度を上げるためには治療の対象を、出来るだけ細かく詳しく見えるようにしなければなりません。精密治療では、患部を何倍にも拡大して見ることで、それまで肉眼では見過ごしていた微細な状態を知ることができます。技術に熟練すれば、肉眼では不可能だった細部まで、完全に治療することも可能になりました。精密治療を行うことで精度が格段に上がり、治療した歯が健康で美しく、長持ちするようになります。
右写真は実際の患者様で、前歯のオールセラミックの被せ物を接着したあと、接合部の密着具合を確かめているところです。歯周ポケットの歯肉を少し持ち上げると、セラミックの被せ物と歯をつなぎ合わせているラインを見ることができます。段差や隙間が全く無く、最良の状態であることが確認できました。肉眼だけでは、このようなセラミッククラウンを製作することも、歯に接着することも、またそれを確かめることも不可能です。
歯の治療というのは、人体にとって異物となるセラミックなどを、身体（歯）の一部として使う人工臓器の一種と考えられます。歯とのつなぎ合わせの部分は歯周ポケットに近いので多数の細菌が存在します。肉眼のみで治療された、細菌に対する対策が不十分な被せ物では、見えない微細な段差や隙間に細菌が繁殖して、何回治療しても歯周病やむし歯を繰り返してしまいます。精密治療で、隙間なくあたかも自然なエナメル質のように制作されたセラミッククラウンは、最良の人工臓器として健康を保ち、自然で美しく長持ちするのです。 歯とセラミックの接合部
当クリニックでは全ての治療に際しまして、熟練した歯科医が精密治療を行っているので、ご安心いただけます。
