透明感のある自然な歯を被せて治すためには、自費治療となっている陶材焼付け冠(メタルボンド)や、オールセラミッククラウンを利用する方法があります。いずれもセラミックを利用することで、時間が経っても色がくすむことはありません。弾性率も天然の歯に近いため、咬み合う歯にも優しい材料です。
■オールセラミッククラウンについて
・冠の全てをセラミックで作り上げる冠のことです。
・自然な光を透過する優れた審美性をもつ。
・金属を一切使わないため、金属アレルギーの方にも安心。
・歯肉とのなじみも良いため、かぶせ物周辺の歯肉の健康も維持できる。
・はぎしりのある患者様や咬み合わせの状態などによっては、利用できない場合がある。
■メタルボンドクラウンについて
・セラミックを金属の枠組みに焼き付けて作る冠のことです。
・強度があるため、咬む力の強い患者様でもある程度使用が可能です。
・経年的に金属が露出して歯肉との境目が黒く見えてくる。
・元の歯やかみ合わせの状態によっては、自然な歯の透明感が思うように出ないことがある。
「白い歯」というと、やはり一番目にとまる前歯を白くする治療が多くなるかと思います。
しかし、前歯だけではなく奥歯の金属が目立って気になるので白くしたい、また、金属アレルギーなどの問題で口の中に金属を入れておくことができない患者様もいらっしゃいます。
そのような患者様へハイブリットセラミックスという材料を用いた治療を紹介いたします。
保険でできるコンポジットレジンでも、白い歯にする修復は可能ですが、色調が自由で審美性に優れている反面、色が時間と共に変色したり、磨耗が激しかったりするという欠点があり、奥歯には使用しづらかったのが現状です。 しかし、ハイブリットセラミックスは、色が変わりにくく、すり減りづらい長所を持っているため奥歯にも使え、かつ色調も自由に選べますので審美的にも優れている新しい素材です。
ハイブリットセラミックスについて
■ハイブリットとは?
70%の無機ガラス(超微粒子フィラー)と30%の有機ガラス(高密度架橋活性材料)の細かい粒子からできていて保険治療のレジン素材(合成樹脂)とセラミックのちょうど間の素材と考えていただくと良いかと思います。
■ハイブリットとセラミックスの違い
両方とも色調は白い天然の歯の色となりますが、長期的な色の変化はハイブリットの方がセラミックと比較すると少し変色してきます。硬さもハイブリットの方がセラミックと比較すると柔らかいです。
価格はハイブリットの方が少し安いです。
■ハイブリットの利点
・自分の歯に合わせやすい色なので、自然で目立ちません。
・歯と同じ硬さなので、自然な噛みごごちですが割れにくいです。
・金属アレルギーの心配がありません。
・通常のセラミックよりも安価です。
■ハイブリットの欠点
・あくまで素材は超高品質のレジンであり、セラミック100%ではないので、
セラミックに比較すると耐久性が少し劣ります。
ジルコニアは腐食にも強く、体ともよく馴染むことから医療分野でも広く使われ、歯科の審美性の高い治療の素材としても注目を集めています。オールセラミックスにジルコニアを使用することで、従来のセラミックでの強度の心配がなくなり、奥歯や複数歯の連結されたブリッジなど使用範囲が大幅に広まりました。ジルコニア(二酸化ジルコニウム、化学式:ZrO2)はジルコニウムの酸化物です。
セラミックの中では最も強度や耐熱性が高いと言われ、人工ダイヤモンド、スペースシャトルにも使われています。歯の型をとるまでは、今までのオールセラミックの治療法と何ら変わりません。
しかし、「白い金属」と言われているジルコニアは、ここから患者様にとって魅力的な能力を発揮します。
■ジルコニアの利点
・通常のオールセラミックより透明度が高い。
・金属よりも硬くて丈夫である。
・金属アレルギーが生じない材料である。
・変色のない材料である。
・通常のセラミック処置より歯を削らずにすむ場合ある。
・奥歯でも使用が可能である。
■ジルコニアの欠点
・とても硬いので、セット後に問題が生じた場合、除去が困難である。
・CAD/CAMという技術で削りだすので複雑な形態は無理である。
・接着をあげる場合、専用のセメントを使用しないといけない。
歯の色が気になる、前歯に隙間があって気になる、前歯の形をもう少しバランス良くしたい、少しだけ歯並びを治したいけれど時間がかかるのは嫌だ、などと悩まれている方に適している治療が、ラミネートベニア法です。ラミネートベニア法は、歯の表面を薄く削り、付け爪の感覚で、薄いセラミックを歯の表面にはりつけることにより、理想的な色・大きさ・バランスで前歯を作り上げます。
歯へのダメージも最小限であり、仕上がりもごく自然にでき上がります。
ホワイトニングと比較して、治療後の変色や着色もほとんどありません。
ホワイトニングとは長い間取りきれなかった汚れが、歯の色そのものを変色させてしまい、クリーニングをしてもくすんだ状態の方や、歯の黄ばみが気になって口をあけることがコンプレックスになってしまっている方、先天的に歯の色が黄色っぽい、茶色っぽいなどの悩みを抱え、ご自身の元々の歯の色よりも白くしたいという方にお勧めの治療です。痛みや不快感はなく、リラックスした状態で治療していただけ、施術を受けられる度に白くなる歯にきっとご満足いただけます。
■ホームホワイトニング
ホームホワイトニングは個人用のマウスピースを作成し、そこに薬を入れて1日数時間、数日間装着し、歯の表面から漂白する方法です(症状によって使用時間が異なります)。
自宅でできる処置なので、比較的簡便なのが特徴です。
プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング(Professional Mechanical Tooth Cleaning)の略称で、専用の機械によって、タバコのヤニや茶渋などの歯の表面に付いた汚れを取り除く方法で、歯と歯の間など自分では磨きにくい所や、歯磨きでよく磨けていない所を中心にクリーニングします。
歯の表面を軽く研磨し、フッ素を塗るので虫歯になりにくく綺麗な状態を保つことができます。
歯科医師や歯科衛生士などの有資格者がブラシ、研磨剤、超音波、フロスなどで歯面を清掃します。
PMTC(クリーニング)の技術は現在では驚くほどが進み、黄ばんだりくすんだりした色の歯も輝かせることが可能です。当院では痛みもなく、簡単な治療で着色やヤニがとれ、白い歯と引きしまった歯肉がよみがえります。