「歯周病」という言葉をご存じの方は多いと思いますが、その実態が認識されていません。事実、2007年の『全国成人歯科保健調査報告書』によれば、20代の日本人の8割以上が歯周病、もしくはその予備軍であるというデータが出ています。
歯周病は単なる歯茎が腫れたり、歯茎から血が出たりする病気ではありません。放置しておけば顎の骨を溶かし、歯をグラつかせ、やがては歯が抜けてしまうというおそろしい病気なのです。

・第一段階 歯肉炎
歯肉が腫れ始め、歯と歯肉の間に歯周ポケットという隙間ができ始めます。この間に歯周病の原因であるプラーク(歯垢)が溜まっていき、中の細菌の毒素によって歯周病を悪化させていきます。

・第二段階 歯周炎
腫れが歯肉の奥まで浸透していき歯肉から出血したり膿が溜まっていったりします。歯周ポケットはますます深くなっていきます。

・第三段階 中等~重度歯周炎
この段階になると歯肉ばかりでなく、プラークの中の歯周病菌が出す毒素によって顎の骨が溶かされていきます。やがて歯そのものがグラつき始め、さらに放置しておくと歯が抜けてしまうのです。

歯周病の原因は歯や歯肉に溜まっていくプラークや歯石にあります。歯周病菌のほとんどは嫌気性、つまり酸素を嫌う細菌であり、彼らはプラークや歯石の中にバイオフィルムという棲み家を作り、その中で増殖していくのです。この歯周病菌が出す毒素が歯肉や顎の骨を破壊するのが歯周病なのです。
つまり歯周病を治療・予防するにはプラークや歯石を取り除き丁寧にバイオフィルムを除去すれば良いのです。
スケーラーという機械で歯石を除去し、歯周病菌の毒素がこびりついた歯を磨き上げるのがスケーリングとルートプレーニングです。このように歯周病菌の棲み家を丁寧に取り除くことによって歯周病は進行を止め、徐々に回復に向かっていくのです。
歯周病にならないためのもっとも有効な手段は、「歯周病菌を棲みつかせない」ことです。そのための毎日の正しいブラッシングや定期検診やPMTCなどを欠かさず、口の中にプラークや歯石を作らないことが大事なのです。

多量の歯垢、歯石の沈着とともに、歯肉の腫脹、発赤があります。
レントゲンで確認すると根の付近まで骨の吸収が進んでいます。
抜歯する可能性も考えられます。


歯肉の発赤がだいぶ治癒しました。
約4年後骨のレベルが安定し、抜歯をする必要がなくなりました。
治療前のレントゲン
治療後のレントゲン
治療前の口腔内レントゲンでは、骨の吸収が認められます。
治療後、骨の再生が認められます。