
顎関節症とは、顎関節や噛む筋肉の痛み、関節の雑音(カクカク音、ジャリジャリ音)、開口障害(お口が開きにくいこと)を主な症状とする疾患です。
例えば、このカクカクする音は、『関節円板』という、そもそも関節の間にあるべきクッションが飛び出してずれたり、元の位置に戻ったりする時の音です。それがギクシャクするからお口が開きにくかったり、痛かったりするのです。
顎関節症は特に顎の構造が弱い女性に起こりやすい病気です。統計では、約半数の方に顎関節の異常がみられます。また、その27%は重症に移行するという報告があります。
急性的な原因は硬い物を無理に噛んだり、歯科治療などの長時間大開口、極度な開口、顔面の打撲、むちうちなどがあります。慢性的には、歯ぎしりやくいしばり。噛み合わせや不正咬合、不良姿勢が原因といわれます。これら機械的な力(メカニカルストレス)が顎関節の関節円板などを圧迫、変形させる事により、雑音、痛みや開口障害を引き起こすのです。
病院での治療は、原因を解消する治療と痛みなどの症状を緩和する治療を症状に応じて組み合わせて行われます。
| 1) 認知行動療法 | ブラキシズムや癖など顎関節症の原因となる悪習慣やその背景をさぐり本人に自覚させ、それらを取り除くようにさせる。 |
|---|---|
| 2) 物理療法 | 痛みの軽減のために患部を温めたり冷やしたりする。 |
| 3) 運動療法 | 開口や顎を動かす訓練をして口がよく開くようにする。 |
| 4) スプリント療法 | スプリントという歯列を覆う装具を装着することで顎関節や筋肉への負担を軽くして歯ぎしりや食いしばりの害を緩和する。 |
| 5) 薬物療法 | 痛みが強い場合に薬で炎症を鎮めたり、筋肉が痛みで固まっている場合に筋弛緩剤を用いたりする。 また夜間の歯ぎしりや食いしばりを抑えるために入眠剤、痛みの軽減のために抗不安薬、抗うつ薬を使用する場合もある。 |
| 6) 外科療法 | その他の治療で症状が改善されない場合には外科療法が行われる場合もある。関節内に強い炎症がある場合に針をさして関節内部の物質を洗い流す「関節腔内洗浄療法」、関節内で関節円板と骨の癒着がある場合にそれをはがす「関節鏡手術」などがある。 |
※咬合治療
噛み合わせが顎関節症の原因なのか結果なのか、その関係はまだわかっていないとされています。 噛み合わせの異常が原因となっていてそれを取り除くことにより症状の改善が見込める場合には、初期段階ではごく簡単な噛みあわせの治療を行い、治療の最後に最終的な噛み合わせの治療を行います。