私が歯科医師になってから6年間、歯科診療の技術・知識を
一から教えていただいた先生が常々おっしゃっていた言葉が
あります。
「佐藤先生にとっては、1人の患者さんは多くの患者さんの中
の1人かもしれませんが、患者さんにとっては唯一の先生な
んです。
そのことを頭において、診療にあたってください」と。
これを実践するために私が出した答えは、常に全力をつくす
事、でした。目の前にいらっしゃる患者さんに対して、今自分
が持っている全てを傾けよう、ということです。 その結果とし
て患者さんが「口福」になってもらえれば・・・、僕等の幸福に
なると思っています。
今のこの考え方は今後も変わることはないでしょう。設備やシステムや人が変わっても根っこになる
診療方針は守りたいと思っています。
絶えず流れる時間の中で不変的なものは、こういったフィロソフィーだけの様な気もします。
下記2枚の写真は、3年ほど前の同じ頃、同じ場所に、同じような治療をさせていただいた、同じくらい
の年齢の2人の患者さんのお口の中の写真です。
3年たった現在では、大きな違いが出ているのが分かっていただけるかと思います。
では、何が違ったのでしょうか?
答えは・・・
「日常、患者さん本人が行うお手入れ」に差があること、
もうひとつ「定期的な病院でおこなうお手入れ」ができて
いたかどうかです。
最近では前者を「ホームケア」、後者を「プロケア」と呼んだりしますが、どちらもお口の中の健康を
守っていくためには、重要であると私どもは考えております。
歯科医院は悪いところを修理する場所から、今ある健康を守る場所に変わってきているんです。
口の中は、だれもが鏡で手軽に見ることができる、消化管の
いち臓器。「今日は気分がいいから、寝る前に心臓と胃でも
掃除するか!」なんて人は聞いたことないですよね?
口の中はそれが可能なのです。
さらに、それが自己満足にならないように、もっとお手入れしやすいように、もっと機能的に・・・
そんなお手伝いが私たちにできないか?
それらがさとう歯科での仕事のひとつであると考えています。