厚生労働省が定期的に実施する「歯科疾患実態調査」より、日本人の歯の残り本数は、下のグラフのような曲線を描いて減少していくことがわかっています。

(厚生労働省「平成17年度歯科疾患実態調査」より)
グラフを見ると、50歳の時点で残り本数が20本の場合(*印の部分)、75歳になる頃にはほぼすべての歯を失ってしまうことがわかります。
また、国が提唱する「8020運動(80歳で20本以上の歯を残すことを目的とした運動)」の目標を達成するためには、75歳の時点で25本以上の歯を維持しておかなくてはなりません。しかも、グラフをごらんいただくと明らかなように、20本を切ると残りの歯も急速に失われていく傾向があるのです。
親知らずを除いた永久歯の本数は28本。つまり、「80歳で20本」を達成するためには、75歳までに3本しか歯を失ってはならないのです。このように見ていくと、「80歳で20本」がいかに高い目標であるか、ご理解いただけると思います。
1本でも多く健康な歯を保つためには、若い頃から歯を大切にする習慣や意識を持ち続けなくてはなりません。そのために必要なことが、(1)むし歯の早期治療、(2)歯周病予防、(3)日常生活での正しい食習慣とブラッシングです。

むし歯は「C0」から「C4」までの段階を経て進行していきます。初期の「C0」「C1」は表面のエナメル質がむし歯菌によって溶かされた状態で、自覚症状はなく、むし歯部分を削って白い詰め物をすることで改善します。ところが、「C2」まで進行すると、エナメル質の下の象牙質までむし歯菌が入り込み、痛みや冷たいものがしみるなどの自覚症状が現れます。象牙質はエナメル質よりやわらかいため、一度むし歯菌が入り込むと、進行スピードが圧倒的に速まります。むし歯の早期治療がさかんにいわれる背景には、このような理由があるのです。

歯周病は、歯周病菌があごの骨や歯肉を溶かし、最終的に歯が抜け落ちてしまう病気です。
自覚症状を感じたときには末期状態であることが少なくなく、日本人が歯を失う大きな要因となっています。
歯周病は、正しいブラッシングを継続しないことには予防できません。正しいブラッシング方法を習得するためには、プロによるブラッシングトレーニングが必要です。
当院では、患者さま一人ひとりに最適な歯ブラシ(フロス、歯間ブラシ、小型ヘッド歯ブラシなどを含みます)をご提案し、最適なブラッシング時間・頻度・回数などを丁寧にアドバイスいたします。

人の口内にはむし歯の原因となるミュータンス菌という細菌が存在し、糖を分解することで一気に増殖します。ミュータンス菌はネバネバとした物質を分泌し、この物質が食べカスなどと結びついて歯垢となり、むし歯や歯周病の原因をつくり出します。
ミュータンス菌がとくに活発化するのは食後30分間と言われています。そのため、間食の回数が多いとお口の中はつねにミュータンス菌がネバネバ物質を分泌する状態になり、いくらブラッシングしてもむし歯を予防できない事態を招いてしまいます。
一生自分の歯で噛むためには、間食を減らし、的確なブラッシングを毎日続けることが必要不可欠なのです。


お口の中は本来、唾液の働きにより中性に保たれています。ところが糖質の食べ物を食べるとミュータンス菌が酸をつくり出し、歯のエナメル質を溶かしはじめます(脱灰)。その後、ブラッシングや唾液の働きで再び中性に戻り、エナメル質を修復していく(再石灰化)のですが、間食が多いと再石灰化する時間が減り、むし歯になりやすくなります。

いくつになっても自分の歯を保つこと。その効果は、想像する以上に大きいものです。
まず自分の歯には違和感がないため、食べ物が噛みやすく、毎日の食事を美味しくいただけるようになります。するとバランスのよい食事がとりやすくなり、全身の健康状態を改善することに。また、咀嚼することは頭脳の働きをより明瞭にしますので、結果的に認知症予防につながります。さらに最近の研究では歯周病と糖尿病や心臓疾患の関連性が疑われており、まさに歯は全身の健康の入口といえるでしょう。
当院は「一生自分の歯で噛めるように」というモットーのもと、歯を残す治療法を積極的に勧めております。
歯を失う原因となる二大疾患は「むし歯」と「歯周病」。これに対抗するため、当院では予防歯科に力を入れ、同時に現在残っている歯やむし歯になった歯をできる限り抜かず、噛める状態にまで治療いたします。治療後は正しい歯ブラシブラッシングの方法を丁寧にご説明し、長く自分の歯を保つためのお手伝いをいたします。
歯は人生というマラソンレースをともに走るパートナーのようなもの。 治療をあきらめて歯を抜く前に、ぜひ一度当院にご相談ください。
ナムラ御殿山ガーデン歯科
名村 大輔