患者さんが歯科医院に通う目的は、虫歯や歯周病などの痛みを取るためであることがほとんどと思います。しかし、長期的に安定した口腔内を実現するためには、痛みを取り除くためだけの処置ではなく、しっかりした基礎治療と治療後のメインテナンスも欠かせません。当院では、患者さんの主訴の治療を行うことはもちろん、包括的な治療を行い、さらに病気を未然に防ぐ予防処置を中心としたメインテナンスに重点を置いています。
患者さんの多くは、なかなか予防の大切さに気付いていらっしゃいません。当院では予防の大切さを知っていただき、今後は治療のためでなく予防のために当院を利用していただきたいと思っています。ここでは、初めてご来院いただく方のために、当院のご予約から治療後のメインテナンスまでを、それぞれわかりやすくご説明します。
当院の診療は完全予約制です。これは治療時間の枠を確保するだけでなく、治療に合わせて充分に準備を行うためでもあります。
医師や衛生士が患者さん一人ひとりの処置に合わせた必要な器具や薬品を事前に準備してお待ちしていますので、極力キャンセルのないようにお願いいたします。やむをえない理由でキャンセルされる場合は、遅くとも前日までにご連絡いただけますようお願いいたします。
当院では治療に入る前に予診表の記入をお願いしています。治療計画に役立つ資料となりますので、アレルギーの有無などお身体のコンディションも併せてご記入ください。そして、本格的な治療に入る前に歯の痛み、歯ぐきからの出血、入れ歯の不具合などによる痛みがある場合には、まずその症状を取り除く応急処置を行います。
応急処置が済んだ後は、レントゲン撮影や歯型の採取など、必要に応じた各診査を行い、口腔全体を一単位と考えた包括的治療に役立てます。撮影したレントゲン写真は、口腔内の様子を確認できるほか、目に見えない隠れた病気を発見することが可能。そして採取した歯型は、上下の咬み合わせのバランスや歯ならびを確認するのに役立てます。そのほかの詳しい診断結果につきましては、カウンセリング時に充分な時間をかけてご説明します。
診査・診断の結果をもとに、医師から個別に症状や病因をご説明し、治療法や治療期間、費用についてご提案します。再発させないことや治療をスムーズに運ぶためには、患者さんご自身のご理解とご協力も必要です。当院ではインフォームドコンセントを重視し、患者さんがわからないことがあればご納得いただけるまで何度でもご説明します。治療は患者さんの合意を得たうえで開始しますので、遠慮せずどんなことでもご質問ください。
すべての治療が終了したら、それからが新たなるスタート。治療後の口腔内環境が治療前と同じでは、必ず病気は再発します。なぜ歯が悪くなったかをもう一度考え、毎日のブラッシングなどのセルフケアを丁寧に行い、口腔内環境の改善に努めましょう。また、虫歯も歯周病も初期には症状がないため、定期検診により早期発見・治療を心掛けると共に、メインテナンスも受けましょう。