おそらくこのホームページをご覧になっている方の中には「保険治療でできることなら安くやってもらえないのですか?」という疑問があると思います。その裏にはどうして保険で治療してくれないのだろうという不信感もあるでしょう。もっともな意見だと思います。私自身、歯科医師として、保険診療と自由診療併用の歯科医院、自由診療専門の歯科医院、その両方を経験してきました。
その際、保険と自由診療の両方を行っているところは、自由診療の営業を患者さんにしないといけなくなるため、本来の歯科医師の良心に反する説明をせざるを得ないことがたくさんあるのです。しかしながら儲けるために自由診療という発想は誤った診断、治療を生みます。
私は保険診療と自由診療は材料の差だけではないと思っています。材料によって虫歯になりにくい、歯周病になりにくいという説明は、私からすると明らかに嘘があります。材料の違いによる差なのであれば、みなさんが自由診療の料金が高すぎると感じるのも無理はないでしょう。保険診療ではできない「徹底的に治療にこだわること」「相談と説明を十分にすること」「試しにやってみること」「治すための特別な治療」これらができるからからこそ自由診療なのです。そこには手間とオリジナリティの差があるのです。
しかし、自由診療を勧められるときのほとんどが、「保険ではだめ」「保険ではこれが限界」「材料が良いから長持ちする」など、私から言うとこれも嘘ばかりの説明です。私なら保険でもほとんどの治療が可能だと思っています。ただし採算がとれないことが問題なのです。ではその時、人はどうするのかと言えば、採算が取れるように治療を考えるのです。本末転倒だと思いませんか?
「採算がとれないから保険診療はやりたくありません」この台詞が言えたらどの歯科医院も楽になるでしょうし、いろいろなことがはっきりと説明がつくと思います。しかし保険診療を申請しているところはこの台詞を言うことができません。厚生労働省が認めていないのです。保険診療を申請している大多数の歯科医院は「ここは採算が取れるから保険で、ここは採算が取れないから自由診療で」ということを言うわけにはいかないのです。
ではどうやって採算をとっているのかはあえて明言を避けますが、皆さんが想像している通りかもしれません。保険診療でもらう明細の意味が不明なものやよく分からないものがあるのではないでしょうか?また説明されてもそれがこの料金?と首をかしげることはないでしょうか?そのため医療の料金に関してはどこか釈然としないものを感じている人も多いと思います。3割負担なのでなかなか苦情を言う方も少ないですが、これが10割負担のサービスと考えると本当に納得できる価値なのか考えてみてください。
そうした背景を考えると、患者さんが自由診療を勧められた時にさらに釈然としないものを感じるのも無理はないと思います。本当は良かれと思って勧めている先生もいるかと思いますが、真面目な先生ほど口下手で、どこかそういう後ろめたさも感じるため、患者さんからすると余計に不信感のある説明になってしまうかもしれません。
その点、自由診療専門の医院は料金と診療内容を明確にきちんと説明ができるのです。やらないことは請求しない。ここまでの治療がいくらかかりますということも初めにきちんと計画を立てることができます。当医院では当初の見積りの治療費を超えて治療したケースはこれまでありません。そのくらい自由診療の診断は慎重ですし、患者さんも高額な費用を出している以上きちんと治したい人ばかりです。こちらもそのお金をいただいているということを常に意識していますので、お互いに治療に対する本気度が違うのです。
開院して以来、患者さんとの治療時間を守ってきております。お待たせしないことも自由診療ならではの良さであると思っています。もちろん良識的な患者の皆さんのおかげであることは言うまでもありません。こういった細部の環境の良さも、私が診療に集中でき、常にベストの状態を保てる秘訣でもあります。
長文にお付き合いいただきありがとうございます。保険治療を行う先生が必ずしも良心的とは限りませんし、自由診療を行っている先生が必ずしもあくどい先生ばかりではないことをご理解いただきたいと思います。 当医院は、本気で治療に来られている患者さんに、私も本気で一人一人にお答えするシステムであることを知っておいてください。