わたくしは、歯科医師になる前には、歯科技工士でした。
18歳で技工士学校に入り、26歳で歯学部に入学いたしました。
その間の8年間は、わたくしにとりまして生涯の宝物の8年間でした。
この8年間の中でほんとうにたくさんの良い経験をしました。
歯科技工士から歯科医師へなんていうと、なにかその、「歯科の申し子」のように聞こえそうですが、そうではありません。それに、わたくしは、受験の併願大学が当時医学部でしたし、興味のあるのは人間そのもの、診療科目は、精神科医になりたい、という思いがありました。
それは、多分に家庭環境がそう思わせたのかと思っておりますが、思いとは裏腹に医学部の門は閉ざされ、代わりに歯学部へと道が開かれました。
以来今日に至っています。
たしかにわたくしはモノを作るのが好きで、時間が経つのも忘れてのめりこみ小学校の頃は図画工作が好きでしたし中学・高校と、美術や技術家庭科の成績はとても良かったでした。
技工士学校に進学できた時も、それで身を立てていくんだということで当時は思っておりました。転機が訪れたのは技工士学校在学中のことです。
いのち・人の一生・病気・しあわせ、などについて深く考え始めることになりました。
とは申しましても、わたくしは歯科医療で身を立てていかなければなりません・・。
歯科を通して、人のいのちとは、人が病気になるとは、などなど、自分なりに学んでいる真っ最中です。