家庭では子どもの歯磨きをしなきゃいけないと思いながらも泣いて暴れられたりすると、歯磨きするほうも悲しくなりますね。
子どもって歯磨きを嫌がるのが、当然なんですよ。
中には上手に歯磨きをさせる子どももいますし一概には言えませんが、1~3歳のほとんどの子どもが歯ブラシを見たとたんに大脱走を企てるものなのです。
それでは、どうして子どもは歯磨きを嫌がるのでしょうか?
生まれてすぐに赤ちゃんは、お母さんの乳首に吸いつくでしょう。
「おっぱい」なんてものを誰も教えていないのに見事に探し当てます。その探し方は目で追って吸い付くわけではなく、手でポンポンと探すわけではありません。
まさに口の感覚、特に口唇の感覚で探し当てます。そして、驚くほど力強く巧みに舌を動かして母乳を飲みます。
これは赤ちゃんの持つ感覚のうち口の感覚が非常に敏感ということなのです。
赤ちゃんは成長するにつれ徐々に目で物を追い、手で物を探し当てるようになります。そして生後5ヶ月頃、目的とする物を自分の手でつかむようになっても、それをすぐに口へもって行きます。これも敏感な口の感覚で物を認識しようとしているのです。
さらに成長していくなかで口の感覚を用いなくても、手と目、耳、鼻で物を認知するようになり、口の感覚は鈍くなっていきますが、やはり口が敏感であることはずっと保持されます。
例えば、成人であっても舌先の感覚は指先の2倍鋭いといわれるほどです。
このように敏感な口唇をいきなり引っ張り、敏感な口の中に歯ブラシを突っ込むことは子どもにとって恐怖であり、すりむいた傷口を触れられるようなものなのです。