よく咬んで食べることは、健康に生きるために非常に大切なことです。口を開け閉めする咀嚼筋（ソシャクキン）のポンプ作用が脳血流量を35～60％上昇させます。これは脳を刺激することになるので、子供の場合では脳の発育をよくし、大人の場合では脳の老化を遅らせます。また、ストレスホルモンを抑制したり、脳の満腹中枢を刺激することになり、肥満の予防につながります。
しかし、咬み合わせの理論は歯科医学の中で最大のアポリア（難問）です。私は歯科を志す前に立命館大学の大学院で、金属の疲労破壊の研究に取り組んでいましたが、研究を重ねるなかで静的及び動的な「力学」の考え方を身につけることができました。このことが咬み合わせの理論の修得に役立ち、自分なりの理論を創り出すことができました。
