インプラントは全身的健康状態、インプラントを埋入する箇所に必要な骨量の存在、経済的負担能力、メインテナンスしていく為のセルフコントロール能力の諸条件が満たされる場合には、非常に優れた治療方法です。特に少数歯の欠損や下顎の臼歯の欠損に対しては、ファーストチョイスと思われます。
最近では骨の無い所に骨を造成したり、即時インプラント(すぐに咬めるようにするもの)、暫間インプラント(1次オペから2次オペまでの待つ間にすぐに咬めるようにする仮のインプラント)なども開発されてきています。ただし、高度な技術を必用とし、適応症を厳密に選んで行わなければなりません。
当医院ではブローネマルクインプラントを導入しています。これはスウェーデンのブローネマルク教授が開発したインプラントシステムで、1965年からの歴史のなかで世界で400万人以上が治療を受け、成功率は98~99%にまで達しています。これだけの実績を持つインプラントは他にはありません。
上の前歯部に行った
4本のインプラント
下の左右の臼歯部に行った
5本のインプラント
レントゲン写真
●インプラントと咬合の関係は
インプラントの治療を受け て、フィクスチャー(インプラントの骨の中に埋入されている部分、インプラント本体)のオッセオインテグレーション(フィクスチャーと骨との結合)はうまく行っているのだが、良く咬めない、頭痛、肩こりがあるなどの不快な症状を訴えられる患者様が増えてきています。
これはインプラントが普及してきたことを示すと同時に、咬合が正しく回復されてない、あるいは咬合を正しく回復することが、いかに難しいかということを表していると思います。
インプラントを実施する場合は基本に歯の欠損があるので、多かれ少なかれ咬合に異常があるのは当然のことであります。そこで、インプラントに仮の歯をセットして咬合を正しい状態まで誘導していって、臨床的に不快な症状が無い、更に時間をある程度経過させても再発しないことを確認して最終的な歯へ移行していきます。このようなプロセスをとることによって、個性理想咬合を再構築することができるし、インプラントも長期に渡り安定したものとなります。つまり、インプラントを実施するにも咬合が非常に大事であるということです。