「歯周病専門医」は、国民への新たな専門的な歯科医療制度として、
特定非営利活動法人日本歯周病学会が、歯周治療を専門的に
取り扱うに充分な技量と倫理観を有する歯科医師を認定するものであります。
今回の厚生労働省の布告により、日本歯周病学会が認定した
「歯周病専門医」については、広告等により、その公示が可能と
なります。
日本歯周病学会は、今後これら専門医の教育・指導を行うとともに、
国民の健康増進に貢献する施策を行ってまいります。
つきましては「歯周病専門医」に対するご理解ならびに、
ご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
理事長 山田 丁
1.日本歯周病学会指導医のもとで通算5年以上の歯周病学に関する研修と臨床経験を有する
もの、および、これと同等以上の経験を有すると認められたもの
2.通算5年以上の日本歯周病学会の学会員である者
3.申請時に教育研修単位を50単位以上習得した者
4.歯周病疾患患者10症例を提示し、試験に合格した者
この資格は取ったら終りというものではなく、5年ごとに更新する事が必要です。
つまり、常に歯周病学に関係していないと、認定医を持続するのは困難なのです。
現在全国で700人余りが取得しています。
厚生労働省と日本歯科医師会では80歳で20本の歯を残す事を目標
とした「8020運動」を提唱しています。
しかしながら厚生労働省が定期的に行っている歯科疾患実態調査で
は80歳の一人あたりの平均残存歯数はたった4本であり、
達成すべき目標とはかなりのへだたりがあります。
その事は多くの高齢者が義歯を使用している事からも明らかです。
なぜ加齢と共に歯は失われるのでしょうか?
歯牙喪失の原因として虫歯と歯周病によるものが9割以上を占めています。
現在、虫歯の治療に関しては,予防法も治療法も確立され、普及してきました。
万が一虫歯になっても歯を抜かなければならないほど放置する人はまれです。
つまり、多くの人が歯周病で歯を失っているのが現状なのです。
自分自身の歯を長持ちさせるためには、この歯周病の治療と予防は国民的課題と言えましょう。
また、従来、歯周病は「一般歯科」の中に位置付けられていましたが、患者にとっては、
本当に治るのだろうか?と言う疑問が大きいと思われます。
事実、歯周病の分野は比較的新しい学問であり、治療内容も複雑なのが現状です。
そのため,歯周病に対する的確な診査,診断,治療の行える歯科医師は現在のところ、残念ながら
小数に限られています。さらにその少数の先生を見つけるのは非常に困難です。
そこで、従来から日本歯周病学会では、一定の臨床経験と知識などを試験し、その合格者に対し
て、「日本歯周病学会認定医」という資格を授与していましたが、2004年10月5日、厚生労働省
より歯周病専門医が許可され、本格的に、認定医から専門医制度に移行しました。
現在、この歯周病専門医の治療を受ける事が、的確な歯周治療をうける一番の近道だと思われます。
予防から最先端治療までも網羅する歯周病専門医。歯の健康についての認識が高まる中で、
その手腕に大いなる期待がかけられています。