インプラント治療は歯を失ってお悩みの方にとって、最善の治療であると考えます。
今までの歯科治療では、取り外しのできる入れ歯か、歯の欠損の両端の歯を削って入れるブリッジのどちらかしか選択肢がありませんでしたが、いずれも欠点があります。
入れ歯の欠点 ①どうしても異物感がある
②入れ歯を維持するための金属バネがかかった歯に 負担がかかる
③長期的には歯の抜けた後の顎がやせ細っていく
ブリッジの欠点 ①両側の歯を削ってかぶせること
②ブリッジの土台として使用される歯に負担がかかる。
③土台になっている歯のどれか一本でもトラブルがあれば、全て外して再治療する。
等があげられます。
部分入れ歯の図…残存歯に金属 バネをかけて維持するので、歯に負担がかかる。金属バーに違和感がある。
ブリッジの図…欠損の両隣の歯を全周にわたり削り、被せる。セメントて固定する。
インプラント治療はいままでの歯と同じ一本の歯として使っていただける、最新の治療で、入れ歯の違和感もなく、ブリッジをいれるために歯をあらたに削ることもありません。
しかしインプラントは適応症であるかきちんと診査し、診断した時に行うことが重要で、どなたでも行える治療法ではありません。
また、術後の定期検診を継続していただき、管理していくことが長持ちするのに必要です。
インプラント治療の図…歯を失った顎骨にチタン製のインプラントを植立し、歯を被せていく。
現在臨床で使用されるインプラントはチタンという金属を母体にしています。チタンは骨組織となじみやすく、周囲 の骨と結合します。これをオッセオインテグレーションといいます。
チタンが例えば整形外科では、骨折部位の 固定プレートに使われており、広く使用されています。
①患者様の歯型模型 ②レントゲン撮影 ③CT撮影(場合によっては外部病院にて委託)
これらで、使用するインプラントの長さ・太さ・形状の選択やインプラントを埋め込む本数、部位、 埋め込む方向等を検討し決定します。
器具・器材を全て滅菌したものを使用します。歯科医師・オペアシストの歯科衛生士も滅菌ガウンと滅菌グローブを着用して行い、患者様にも滅菌カバーをかけ、清潔な環境にします。
埋入手術時の感染を起こさないことが治療成功の鍵です。
通常、上顎のインプラントで4~6か月、下顎で3~4か月の治癒期間が必要です。じっくりと骨と結合させます。
一次手術では歯ぐきの下に埋めたインプラントを、粘膜を開け、インプラントに土台となるアバットメントというパーツをつないでいきます。
二次手術の後の治癒をまって、シリコンゴム材で精密な歯型を採ります。
できた模型の上で、最終的に被せる歯(上部構造物)を製作します。
製作した上部構造物をインプラントに装着します。
咬み合わせを念入りに調整します。また、歯ブラシでの清掃等も指導して、インプラント周囲を清潔に保っていただきます。
天然歯と比べインプラントは感染防御力が低く、細菌感染しやすいので、天然歯以上に清掃に気を使っていただきたいと考えます。
セルフケアに加え、歯科医院での定期的なクリーニング、メンテナンス、咬み合わせのチェックと調整を行います。
インプラントを埋める歯ぐきの骨の幅、厚みが乏しくて、以前ならインプラント治療ができない場合も、最新の技術・材料が、骨幅を改善し、インプラント治療を可能にします。
①GBR法 歯周治療でご説明した「GTR法」の原理・材料を応用し、歯槽骨(歯ぐきの骨)が欠けている部位の治癒を図ります。
②スプリット・クレスト法 骨幅が薄い場合、骨の中央で刻みを入れ、少しずつ押し広げてできたスペースにインプラントを埋め込みます。ところどころにある間隙には骨補填材を充填します。
③ソケットリフト法 上顎の頬辺りには、内部に上顎洞という空洞があり、呼気の温度調節や浮遊物の除去の役割があります。上顎のインプラント手術時に上顎洞を壊さない様に、上顎洞の床底部をゆっくりともちあげてスペースを確保し、インプラントを埋めていく方法
これらの特殊技術を併用し、インプラント埋入を行います。