歯が欠損(抜けてしまった)した部分(顎の骨)に人工の根(インプラント)を埋めて固定し、得られた強固な支持の上に人工の歯を作る方法です。当院で用いるインプラントは生体と極めて親和性が高いチタンという金属で作られており、広く臨床に応用されるようになっています。
数十年の研究、改良を通し近年のインプラント治療は非常にシステマティックとなっており、より快適で信頼性の高い治療法となってきました。しかし、十分な診査・診断による適応の選択や、確かな施術といった術者の外科的知識・経験・技術などが大切な要素でもあります。
▼インプラント治療の特徴
1.顎骨に固定しているため噛み心地が自分の歯に近い。
2.ガタツキがないので食事や発音に違和感が生じない。
3.自分の歯と同じ感覚で日常のお手入れ(歯ブラシなど)が出来る。
4.入れ歯と違い取り外しの手間がない。
5.入れ歯と違いバネや金属が目立たないため自然な歯並びとなる。
6.ブリッジと違い自分の歯を削る必要がない。
7.希望されるすべての方に選択できる治療ではありません。
8.入れ歯、ブリッジと違い、手術が必要です。
9.自費治療です。保険治療ではありません。
治療計画をたてるために、問診による既往歴、レントゲン撮影(CTや3D)、歯型模型などから各々の顎骨の形状や質を確認します。
条件によってインプラント治療となる前にさまざまな処置が必要となることがあります。
インプラントを顎骨に埋めます。チタン製のインプラントは骨と密に接合するため術後一定の期間を要します。
骨がしっかりとした下顎で3か月、上顎では6か月ほど治癒を待ちます。必要に応じ仮義歯などを使用していただきます。
歯肉に穴あけし、一次手術で埋めたインプラントに土台となる部品を連結します。治癒は2~3週間です。
上部構造(歯)の製作
インプラントが顎骨にしっかり接合したことを確かめて、インプラント部分を含めた歯型と噛み合わせを採り、歯となる部分を経験豊富な技工士と連携し精度の高い装置として製作します。
上部構造(歯)の装着
微調整を行い口腔内に装着・固定します。ネジによる固定か、接着材による固定かは、治療部位やメンテナンスの仕方により決まります。
体にとって異物の移殖であるインプラントを長期間安定した状態で維持するためには、日常の適切な管理が不可欠です。
手入れが不十分ですとむし歯や歯周病で自分の歯でさえ失うことがあります。正しい歯ブラシや口腔清掃に加え、定期的受診を行って下さい。