摂食・嚥下リハビリテーションとは
口は「食事をする時」「会話をする時」「息をする時」「表情を表すとき」などに活躍する生きるための、そして幸せの器官です。
「おいしい」「ありがとう」が伝えられる口の力をいかに引き出すかをお手伝いすることを考えています。
本来、食べることは本能的な行為であり、自然にできるようになるものだと思われています。しかし、食べ物を噛んで飲み込むということは、発育の途中で学習しなければならない機能です。
食べることの障害を摂食・嚥下障害といいますが、これはさまざまな病気で問題となります。
たとえば、摂食障害の一般的なものといえば、拒食症のように食べることを精神的に拒否してしまうことなどがあります。
知的障害者などでは、離乳時などに食べることを学習できなければ、成長されても食べる機能が発達していないケースも見られます。
摂食・嚥下リハビリテーションは、いかなる障害を有しても「口から食べたい」という患者さんのご要望にお応えする、食べるためのリハビリテーションを行ないます。
本来は外来での診療が前提ですが、患者さんの状態により訪問診療や医療相談も可能です。
診療内容について
まず、摂食・嚥下障害の原因について情報を集めるため、お話を聞かせていただきます。その過程では、飲み込み検査なども検討いたします。
その上で、お口から安全に栄養摂取するための方法を親身にアドバイスさせていただき、患者さんのゴールに向けたリハビリを行っていきます。
食べることは生活に直結しますので、かかりつけ医師・介護関係の方々・介護者様・通所施設など、患者さんの生活に関わるすべての方々と情報を共有することも大切にしています。
対象の患者様について
摂食・嚥下障害の初発症状は「口や舌がうまく動かない」「食事中よくむせる」「のどに残留感がある」「量が食べられなくなってきた」等があります。
いずれについても、
●神経・筋系疾患(脳血管障害、神経筋難病、脳性まひ、他)
●形態の異常(口唇口蓋裂、口腔癌、他)
●高齢・加齢に伴う機能減退
●心理・行動的問題(抑うつ、統合失調症、他
など、もとの病気や加齢現象など、原因は広範にわたります。
年齢も様々ですが、当科では、小児、成人に関わらず、幅広く患者様を診察いたします。
訪問診療をご希望の方へ
①通院困難な方を対象にしています。
②寝たきり状態の方だけでなく心身障害の状態が困難な方も含まれます。
③訪問診療はご自宅や施設などに伺って行うものです。
④歯科治療、入れ歯の調整、口腔ケア、食事内容、摂食・嚥下障害の改善などを行います。